
料理のもう一つの主役である皇家塩について書きたいと思います。
料理の味を決定づけるもう一つの要素が、炒めに使われる「皇家塩」。
二千年におよび歴代の中国皇帝に献上されてきた、
中国・福建省恵安の塩田で作られる、国家認定の一級日晒細塩(天日干しの上質な塩)です。
この地域が特別なのは、台湾海峡の深海から流れ込む海水そのものにあります。
深層海水にしか含まれない独特のミネラル分を豊富に含んだ、清らかな海水が原料になっているのです。
さらに、恵安地区の海底には玄武岩が広がるという特殊な地質があり、周辺に工業地帯や鉱業施設もないため、汚水の流入がありません。
こうした環境が、良質な海水、ひいては良質な塩を生み出す土台になっています。
製造工程もまた丁寧です。海水はセラミックを敷き詰めた浅い蒸発池に引き込まれ、天日でじっくりと水分を飛ばしていきます。
結晶化した塩は蒸発池から取り出され、山のように積み上げてさらに熟成。
雨の日にはビニールシートを掛けて雨水による溶解を防ぐなど、細やかな手間がかけられます。
そして最後は品質検査場で、海藻などの夾雑物を人の目で一粒ずつ丁寧に取り除いてから、ようやく出荷されるのです。

こうした工程を経た皇家塩は、単なる「しょっぱさ」ではなく、ミネラル由来の丸みのある味わいが特徴。
強い塩気で素材の味を隠すのではなく、食材本来の旨味をそっと引き立てる、いわば「名脇役」としての実力を持った塩なのです。
東天紅の料理で使われる塩は、全てこの皇家塩。
料理長たちが選んだ塩の実力をぜひ味わってみてください。